ニードルフェルトでリアルな動物を作っています。 彼らの紡ぎ出すそれぞれの物語を、どうぞ聞いてください。
耳についての考察
2012年07月22日 (日) | 編集 |
フェルトで作る動物の中でも、私が一番多く作るのは、猫科。
猫が好きなので、当然そうなるといえば、そうなんだけど、猫を作るのが楽しいかというと、そうも言えない。

猫は難しいのだ。

カラカルブローチ
(カラカル。耳の先の長い飾り毛がチャームポイント。)

全身像は、全体の体つきが猫は捉えづらいので、もちろん難しいのだが、顔だけ作ってみても、やっぱり難しい。
それが何故だか、最近分かってきた。

耳のせいだ。

サーバルブローチ
(サーバル。耳の付け根の位置が、家猫とは違う。)

猫の顔立ちの中で、耳はとても重要な要素だ。犬はマズルの方が大きなウェイトを占めると思う。
大体、私たちは自分が人間なので、何か動物を作りましょうという時、無意識のうちに、自分を参考にしながら作り始める。
よく「絵を描くと無意識に自分に似るものだから、自画像は楽」と言うように。
ところが、人間とか猿と、猫とは顔の骨格からして全然違う。
何も考えず作ると、「お面」のように、真正面に目も鼻も口もちんまり纏めてから、頭のてっぺんに三角耳を足し、これ以上どこを直していいのか分からない、となる。

人間は、耳を重要視していないのだ。
目を二重にしたいとか、鼻を高くしたいとか、悩んでいる人はいっぱいいるが、耳の形が悪くて気にしている人に、いままで会ったことが無い。
ヘルタースケルターのりりこでさえ、耳だけは整形してないという設定だ。

耳は、髪ほどにも重要でない。もし何か不都合な耳だったら、髪や帽子や冠などで隠せばいい。「王様の耳はロバの耳」のように。床屋が秘密を漏らさなければ、誰も気がつかないほど、みんな耳に無関心なのだ。

日本語では、端っこ、縁、成型するとき切り取って捨てる部分をミミと呼んだりする。(パンの耳など)

そうそう、「耳なし芳一のはなし」では、芳一は耳だけ魔よけのお経を書くのを忘れられてしまうのだ。

…話がどんどん膨らんで、収集がつかなくなってきた感はあるが。

フェルト製作における耳の重要性に気付いたところで、敢えて逆のアプローチも試みる価値はある。
うさぎ、猫など、耳に特徴があるものは、耳さえ付ければ、猫だね、うさぎだね、と見てもらえるから、それ以上どうすればうまくなれるか、見えてこないのだ。敢えて、耳なしでうさぎを作る。猫を作る。すると、耳以外の特徴に目が向くようになる。だから、スコティッシュ・フォールドは難しいがいい訓練になる。

ユキヒョウブローチ
(ユキヒョウ。トラ、ライオン、耳の小さい大型猫は、トータルな顔の骨格の把握が重要。)

耳だけ取り出してさえ、フェルト修行の限りが無いこと。
手を抜ける箇所って一つもないと思う。神は細部に宿るとか。
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コメント
この記事へのコメント
そう言われてみれば
耳には無関心です。
ただ、ポニーテールのように髪をアップにしたりすると、耳の位置が高いと綺麗だなとは思います。

耳を積極的に表現した人物として思い浮かべるのは、宇宙人のスポックくらいでしょうか。

ネコは、耳の表情が豊かだから、私の好きな部分です。
また素敵な作品をご紹介ください。
( ´ ▽ ` )ノ

2012/07/23(Mon) 14:32 | URL  | キャベツ畑 #-[ 編集]
キャベツ畑さんへ
スポック!懐かしい名前を聞きますね~。
そうだ、顔の感情表現がない分、耳で表しているのかもしれませんね。今まで気がつかなかったけど…。きっとそうですね。
2012/07/23(Mon) 15:07 | URL  | 薄荷座 #/N6my8h.[ 編集]
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