ニードルフェルトでリアルな動物を作っています。 彼らの紡ぎ出すそれぞれの物語を、どうぞ聞いてください。
喫茶 月森
2011年12月29日 (木) | 編集 |
ちょっと前ですが、思い立って、ずっと前から気になっていた喫茶・月森に行ってきました。
場所は六甲…私にとっては中途半端に遠い地点。三宮から、わざわざ阪急でも一つ先まで行かなきゃならず、他についでのある場所でもないので、梅田よりも行きにくいかな…。

月森

平日の昼間の喫茶店には、他に誰もお客がいなかった。
ここはホットケーキが売りのお店。注文を受けてから作るので最低25分は待つとのこと。
その時間を、店内の本を読んでお待ちくださいという静かな店。
BGMは何もない。時計の音が響くだけ。

本棚には私の好みと合う本がいっぱい並んでいた。
センダックなどさまざまな絵本、森茉莉、谷川俊太郎とか…。
好みと合うって事は、読んだことある本が多いわけで。
読んだことのない村上信夫著、フランス料理の指南書を見て過ごす。

「すっぽんスープの作り方は、まずすっぽんを頭を左にしてまな板に置き、左手で頭の付け根をしっかり押さえて右手の包丁で一気に…」(ええ?そこからやるの?)

泡だて器がボウルに当たる規則正しい音が止むと、やがて懐かしい香りが漂ってくる。
この静謐を、自分と対話する豊穣な時間と思うか、退屈と思うかは、人によるのだろう。

ホットケーキ

ホットケーキにはお約束の四角いバターがてっぺんに乗っていたが、下になってるほうの一枚には、丁寧に全面にバターが塗ってあった。
ホットケーキ以外に、世の中にはいろいろな美味しいケーキがいくらでもある。それを私はもう知ってしまっているが、今こうして食べていると、結局帰って行く所はここなのかと思う。

食べ進むうち、小学校の校庭にタイムカプセルを埋めたこととか、夏休みのプール登校日とか、合唱コンクールの練習曲とか、様々なことが浮かんでは消える。
まるで、「失われた時を求めて」の、紅茶に浸したマドレーヌのようだ。
記憶はこんなに新しいのに、あれもこれも何て遠い昔のことなのだろうか。

月森ー2

喫茶・月森。
とても長い旅をして還ったような気がする。
私はまた、ここへ来てしまうかもしれないなあ。
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